ふるげん司法書士事務所

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裁判代理(簡裁訴訟代理等関係業務)とは

司法書士の仕事

司法書士の主な業務は

  • 不動産登記、商業・法人登記、供託手続について代理すること。
  • 登記又は供託に関する審査請求手続の代理。
  • あなたがご自身で裁判をされる場合の裁判所に提出する書類作成。
  • 検察庁に提出する書類作成。
  • 以上の手続に関する相談業務。

などがあげられます。

これらに加え、平成15年4月に施行された改正司法書士法によって、裁判所提出書類(訴状、準備書面等)の作成を通じた本人訴訟支援という枠組みから、140万円までの民事事件に関して、お客様の代理人として調停や和解交渉、訴訟行為などもできるようになりました。

なお、簡易裁判所での訴訟代理権だけですので、控訴された場合には代理できず、また高額な訴訟の場合や家事事件・刑事事件についても代理できません。

司法書士の裁判代理でできることとできないこと

<裁判代理ができる>

  • 140万円以下の民事事件の相談・交渉・和解
  • 簡易裁判所での裁判のみ

<裁判代理ができないもの>

  • 140万円を超える民事事件(地方裁判所)
  • 控訴審(高等裁判所・地方裁判所)
  • 上告審(最高裁判所・高等裁判所)
  • 破産・民事再生等の申立て(地方裁判所)
  • 強制執行(地方裁判所)
  • 家事事件(家庭裁判所)
  • 行政事件
  • 刑事事件

司法書士に頼めばスムーズに進む裁判

司法書士の裁判代理の権限をみると、狭い範囲に思えるかもしれません。

ですが例えば

  • 建物を他人に貸しているが、家賃を数ヶ月にわたり滞納しているので、借主を追い出したい(家賃不払いによる建物明渡)。
  • アパートを引き払ったが、敷金が帰ってこない(敷金返還請求)。
  • 貸したお金を返してもらえないとき。
  • 家賃の増額を請求されたが納得できないとき。(供託手続も含む)。

など、140万円以下の問題であれば、それら申請業務も行っている分、資料作成や迅速な対応が可能になるケースがあります。

敷金返還の手続き

敷金とは

敷金とは、建物などの賃貸借契約から生ずる一切の債権を担保する目的で差入れられる金銭のことを指します。そのため、「ハウスクリーニング代はそちらで出してください」などの本来家主が負担するはずのものを支払うものではありません。ですから、「賃料不払い」「故意過失で傷をつけたり酷く汚したり」などの事由が無ければ、敷金はほぼ全額返還されるべきものと考えます。

家主負担と借主負担のもの

家主負担と借主負担のものは以下のとおりです。

<家主側の負担となるもの>

  • ハウスクリーニング代金
  • 浴槽・風呂釜の消毒作業や取り替え
  • 天災による破損
  • 畳の表換え
  • ポスター・絵画の跡・エアコン設置のビス穴
  • 日照やタバコによるクロスの変色(自然損耗)
  • クリーニングで落ちる程度の汚れ(自然損耗)
  • 普通に生活していれば付く汚れ・傷(自然損耗))

<借主側の負担となるもの>

  • 不注意で付けたキズやシミ
  • 引越し作業でついたキズ
  • 壁の釘穴やネジ穴
  • ペットなどによるキズ
  • 借り手の故意・過失による毀損など
  • 清掃・手入れを怠ったための汚損

しかし、家主や仲介業者は様々な理由をつけて敷金を返還しようとしません。そこで注意して欲しいことは以下のとおりです。

<引き渡しの際の注意点>

  • 部屋の傷やひどい汚れの箇所を、出来れば借りた時に写真を撮っておく。
  • 賃貸契約書・重要事項説明書などのコピーをとっておく
  • 退去する際の「立会い確認書」の部屋の状態を記載した書面で納得がいかない部分がある場合は、署名押印をしない。(署名等しないでも明渡しは可能です)
  • 早めに専門家に相談する。

敷金返還の手続き

★画像★

<敷金返還を行ったほうが良い金額>
敷金返還を行ったほうが良い目安は20万円以上~140万円未満の案件です。なお案件によってはそれ以下、それ以上の金額も有りますので、気軽にご相談ください。

債権回収の手続き

報酬・手数料・売掛金など、「何度電話や書面で連絡しても支払ってもらえない・・・」ということはございませんか。すでに時効が近づいており、損金として処理しようとしている。そのような債権であっても、専門家が介入し請求をすれば、任意で支払ってもらえる、あるいは強制的に回収できる可能性はあります。

<債権の事項一覧>
期限 案件 詳細
6ヶ月 小切手債権
  • 労力者、芸人の債権
  • 運送賃
  • 旅館、料理店、飲食店、貸席、娯楽場の債権
  • 短期間の動産の賃貸料
  • 手形の遡求権
1年
  • 大工、植木職人、俳優、プロ野球選手の賃金など
  • ホテル、飲食店、映画館、野球場などの料金
  • レンタカー、レンタルビデオなどの料金
  • 約束手形の所持人から裏書人に対する請求権
小切手所持人の債務者(振出人・裏書人・その他)に対する遡求権、債務者の再遡求権
2年
  • 弁護士、公証人の債権
  • 生産者、卸売商人、小売商人の代金債権
  • 居職人、個人規模の製造人の債権
  • 学芸、技能の教育に関する債権
  • 給料債権
  • 商品の売掛金など
  • 理容師、鍛冶屋、建具屋、菓子屋等の代金債権
  • 学校、塾、教師の授業料債権など
  • 給料、賞与(ただし、労働基準法の「労働者」に該当しない場合は1年。また、退職金は5年)
3年
  • 医師、助産師、薬剤師の債権
    (歯科医師・獣医師を含む。看護師・歯科衛生士等は該当せず。市販薬の販売は該当せず)
  • 工事業者の債権
  • 不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 製造物責任法による損害賠償請求権
  • 手形債権
  • 土木建築工事の請負代金、自動車修理代金など
  • 交通事故等の損害賠償請求、慰謝料など
  • 約束手形の振出人、為替手形の引受人に対する請求権
5年
  • 商事債権
  • 定期給付債権
  • 商行為により生じた債権、企業間の商取引、会社が行う貸付(借金)、クレジット債権など
  • 家賃、地代、NHK受信料など
10年
  • 民事債権
  • 確定判決等
  • 個人間の売買、貸付(借金)など
  • 確定判決、裁判上の和解、調停など

※すでに時効となっている債権であっても、回収できる可能性はありますので、ご相談下さい。

※主な債権執行防止策としては
【裁判上の請求】

  • 支払督促の申立て
  • 訴訟の提起
  • 民事調停の申立て
  • 即決和解の申立て
  • 任意出頭による訴え
  • 破産手続き参加
  • 更正手続き参加
  • 再生手続き参加
  • 【裁判外の請求(催告)】

    • 内容証明郵便(中断の効力は6ヶ月のみ)

債権回収の方法

  • 内容証明での督促・債務承認書の取得
    内容証明郵便で督促をすることにより、任意の支払を促します。また、すぐに支払う資力がない場合には、債務の存在を認める書類を作成してもらい、時効の主張ができないようにします。

    ※内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」ということを郵便局(郵便事業株式会社)が公的に証明してくれる郵便(手紙)です。法的な効果が発生する重要な意思表示や通知の証拠を残したい場合に、内容証明郵便が利用されます。

  • 支払督促の申立
    裁判所に支払督促の申立をします。内容証明での督促に応じない場合でも、裁判所から督促が送られてくることにより、支払われる可能性が高まります。

手続きの終了

  • 任意での回収の場合
    内容証明、支払督促等により相手方が任意で支払った場合、依頼者様とご相談の上、回収した金額にて手続終了とします。
  • 支払督促に異議が出た場合
    支払督促に相手方が異議を出してくると、通常の訴訟に移行し、裁判所で判断されることになります。訴訟になると別途費用やさらなる時間と労力が必要となります。ですので、訴訟を行うかどうかの有無の確認をとります。
  • 債務名義を取得したが、任意で支払われなかった場合
    支払督促に異議が出なかった場合、あるいは訴訟になり判決が出されたり和解が成立した場合、それらは「債務名義」となり、強制執行が可能となります。ただし、「債務名義」を取得しても相手方が任意で支払うとは限らず、その場合には強制執行の手続が必要となります。強制執行を行うには裁判所に申立を行う必要があり、別途費用が発生しますので、原則として任意での支払いがされない場合、依頼者様とご相談の上、手続は終了となります。

建物明渡の手続き

強制退去(建物明渡)について

大家さんにとって大変なことの一つが家賃滞納ではないでしょうか。家賃の滞納だけならまだしも、立退きにも応じない方々も最近は多いようですが、法律的に行わなければ、強制退去させる方法はありません。そこで行う強制退去(建物明渡)させる手順を以下のとおりです。

  • 内容証明郵便による賃貸借契約の解除、滞納家賃の請求
    土地や建物などの明渡しを請求する場合は、初めに賃貸借契約の解除をしければいけません。そこで有効なのが内容証明郵便です。具体的には、滞納している家賃を支払うように催告し、支払いがない場合、賃貸借契約を解除する旨の通知を出します。通知に応じ家賃を支払えばこちらで作業が終わりですが、応じない場合は次の手法を取ります。
  • 占有移転禁止の仮処分
    賃借人に対し退去判決をとっても、強制執行をする際に賃借人ではない別人が賃借物件を占有していた場合は、強制執行することができない場合があります。そこで、裁判をする前に、占有移転禁止の仮処分命令の申立てを行います。占有移転禁止とは「占有の移転を禁止する命令」のことを指すのですが、これを行うことで、強制執行の際に別人が占有していたとしても、賃借人に対して判決を取得していれば強制執行が可能となります。
  • 訴訟提起
    賃借人から全く連絡が無い場合、和解交渉がまとまらない場合は裁判を行いましょう。場合によって異なりますが、判決が出るまでに3ヶ月~6ヶ月ほどかかります。
  • 訴訟提起後の和解交渉
    訴訟後に賃貸人が和解交渉に応じ場合もあります。判決の3ヶ月~6ヶ月を待つのを回避したい方は和解交渉に応じます。
  • 強制執行
    和解が成立しない場合、判決を取得します。その後、強制執行をしなければなりません。強制執行には、通常執行官・鍵屋・執行業者を手配し、行ないます。
<手続きのフロー>
手続き 詳細
支払の催告 貸主またはその代理人が「内容証明郵便」等で催告する。
契約解除の通知 貸主またはその代理人が「内容証明郵便」等で解除の意思表示をする。なお、この場合、上記の支払の催告とともに○月○日までに支払いがされない場合は当然に解除となるという「条件付解除」を通告する。
建物の明渡しと未払賃料等の支払を求める訴えの提起 訴額(建物の固定資産税評価額の2分の1相当額)が140万円以下の場合(賃貸の目的物が建物の1室というような場合は、全体の床面積に対する当該目的物の床面積の割合で計算する。)には、簡易裁判所に訴えを提起することができる。それ以上だと訴訟案件を弁護士に委任します。
判決 「債務名義」には、確定判決以外に、仮執行の宣言を付した判決、確定判決と同一の効力を有する和解調書などがあるが、本件のような裁判における判決の場合には、通常その判決が確定しなければ、次の段階の明渡しの強制執行の手続には入れないとされている。
明渡しの強制執行の申立 執行官が一定の期限(1か月)を定め、明渡しの催告を行い、その期限までに明渡しがなされない場合は、執行官が実力で占有者を排除する。もしその間に、債務者以外の者に占有が移転しても、執行官はその者に対し、強制執行をなすことができる。
強制執行

残業代請求の手続き

残業とは

労働基準法という法律では、原則として休憩時間を除き1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはいけないと規定しています。この規定されている労働時間を超えた労働は残業ということで、会社は残業代(割増賃金)を支払う義務があります。

「管理職として働いている場合」や「年俸制を採用している場合」、「定額の残業代の支給を受けている場合」などでも残業代請求ができることもあります。不景気の中、働かせてもらった等という感謝の気持ちがあり、我慢したり諦めたりする気持ちがあるかもしれませんが、事業主が労働者に強制的なサービス残業を強いることは6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という立派な違法行為なのです。

残業代請求には期限があります

残業代請求を行えるのは、その残業代が発生した時から2年とされています。ですので、残業代請求を行うのであれば、速やかに行わなければ請求できる残業代が減ってしまうことになります。

なお、残業代の時効を止めるためには、残業代を支払ってほしい旨を記載した内容証明郵便を送付することが考えられます。時効後6ヶ月以内に裁判をすれば、時効を中断することができます。

残業代請求に必要なもの

残業代請求に必要な物は客観的な証拠です。例えば「タイムカード」が良い例です。証拠はあればあるほど有利働きますので客観的な証拠の収集を心がけてください。
(請求先の会社が素直に証拠を開示しない事例が多数あります)

<客観性の高い証拠>

  • 給与を計算する根拠となる給与規定
  • 労働契約時の交付された雇用契約書類
  • 実際に残業代の支給がないことを証明する給料明細や振込通帳
  • 実際に残業した時間の根拠となるタイムカード
    ※タイムカードがない場合、電車通勤のために使用していたプリペイドカードの乗降車履歴や業務日誌、手帳、パソコンのログインとログアウト時間、メールの送受信記録などでも残業代請求の証拠として認められる可能性があります。

交通事故の手続き

交通事故の被害者になったとき、あなたはどうしますか?

交通事故の被害にあった場合、あなたはどのような対応をしていますか。基本的には警察に通報し、病院に行ってそれらの保障を得るという流れだと思います。しかし、加害者側がしっかりと対応してくれなかったり、保険会社との事務作業が大変だったりと事故後の精神的ストレスはかなりのものだと思います。ですので、そういった場合は当事務所にご相談してください。交通事故でおこる様々なリスクを当事務所でサポートいたします。

交通事故解決の流れ

  • 交通事故発生
    交通事故直後の対応としては、まず警察に通報しましょう。警察に通報していないと、事故に関する証明が発行されず、保険金も支払われなくなります。なお、「小さい事故だから警察に通報しないで内々に示談しませんか」と言ってくる方もいます。ですが、そちらの条件を飲んでも被害者には一銭の得もありませんので、こういう場合は必ず断りましょう。
  • 事故後の対応
    警察に通報し、事故処理が終わった後は自分の加入している保険会社に事故発生を通知します。また、警察署にある申込用紙を使用して、自動車安全運転センターで交通事故証明書を請求して取得します。
  • 治療
    もし怪我や痛みなどがあれば、たとえ忙しくても病院に行きましょう。後遺症の早期発見もそうですが、長い時間立った後に病院に行くと、事故との因果関係が曖昧にされてしまう可能性があります。また、通院の交通費等は領収書をとっておきましょう。
  • 治療費・休業損害の打ち切り
    まだ治療が継続している段階で、保険会社が治療費の打ち切りを通告してくることがあります。そのような場合は、専門家が保険会社と交渉することで、保険会社の対応が変わることがあります。
  • 症状固定
    症状固定とは後遺症(後遺障害)が残って、これ以上治療しても良くならない状態のことを指します。「症状固定」後は、治療費は打ち切られ、後遺症(後遺障害)の等級を認定してもらって、損害の補償を受けることになります。しかし、しっかりとした対応をとらないと、被害者が納得できる等級認定をしてもらえない場合があります。

    この等級認定には「後遺障害診断書」の書き方にポイントがあります。ですので、こちらで被害者様の症状等を明確に記載するアドバイスを行います。

  • 保険会社から示談案の提示
    保険会社から提示された示談の損害賠償額が適正かどうかは一般の方であればわからないのも当然です。ですので、当事務所で示談の提案書の見方や損害賠償額が適切かどうかなどのアドバイスをします。
  • 示談交渉・訴訟(法律事務所・認定司法書士事務所)
    通常、保険会社の提案額は、裁判所の基準等からすると低いことがほとんどです。しかし、そのような場合でも、当事務所のスタッフが被害者様の代わりに保険会社と交渉いたします。また、交渉しても保険会社が納得できる案が出てこなければ、当事務所で訴訟のための資料を作成し、訴訟を提起、裁判で解決を目指します。

本人訴訟支援の手続き

「自分で訴訟を行ってみたいが、書類制作や一連の流れなどが把握できていない」ということはありませんか。このような場合は当事務所の司法書士にご相談ください。訴訟しえんサポートを致します。なお140万円超の訴訟案件に関しまして司法書士では対応できない場合もございます。本人訴訟支援の有無に関して以下にまとめましたのご参考ください。

司法書士による本人訴訟支援に向く事案

  • 相手が争わないと思われる事案
    相手が争わないのであれば労せずして全面勝訴できますので、わざわざ弁護士を代理人に立てる必要はなくく、本人訴訟でも全く問題ありません。
  • 明確な証拠がある事案
    例えば、借用証と借主の印鑑証明書をあなたが所有していれば、貸金返還請求訴訟における主要な証拠は揃っています。借主がいくら「借りていない」と主張したところで、あなたが勝訴するのはほぼ確実です。このように、明確な証拠がある事案は本人訴訟に向いていると言えます。
  • 事実には争いがなく、法律的な解釈のみが争われる事案
    法律的な解釈のみが争点である場合は、審理に関してお互いの主張を書面のみでやり取りすることがあります。その場合は法廷での話合いをしないことから、書面の作成などのサポートがあれば行うことができます。

司法書士による本人訴訟支援には向かない事案

  • 明確な証拠がなく、当事者または関係者の尋問が必要となる事案
    明確な証拠がなければ、様々な要因を踏まえた上で理論武装をしていかなければいけません。この場合、書類作成サポートだけではできない場合もございます。ケースバイケースですが、こういった場合は本人訴訟には不向きです。
  • 管轄裁判所が遠方の裁判所である場合
    本人訴訟では、本人に法廷に出頭していただかなければなりません。また、司法書士が本人訴訟を支援する場合、基本的には司法書士も法廷を傍聴します。これらを踏まえると訴訟費用や交通費だけでも多額になる可能性が高いため、弁護士に任せ、弁護士に出頭してもらうほうが無難です。
  • 医療過誤訴訟、特許訴訟、税務訴訟等、高度な専門性が必要となる事案
    医療過誤訴訟、税務訴訟や特許訴訟などは高度な専門性が必要であり、取り扱える弁護士も限られています。 こうした訴訟は争点が複雑であり、立証にも高度な技術が必要となりますので、専門に扱っている弁護士に依頼すべきです。

強制執行の手続き

強制執行とは

強制執行とは、債務名義にあらわされた私法上の請求権の実現に向けて国が権力(強制力)を発動し、真実の債権者に満足を得させることを目的とした法律上の制度のことを指します。つまり支払い義務のある相手側(債務者)が、慰謝料や養育費などの支払いを約束した金額を、約束とおりに支払いがなされない場合に、国の権力(民事執行法)によって強制的に相手側(債務者)の財産を差し押さえ(財産の処分を禁止する事)支払いを実行させる制度になります。なお、全ての場合に有効な訳ではなく、強制執行をするには定められた条件を満たす必要があります。

強制執行を行うために必要なもの

  • 債務名義(権利の存在を公的に証明する文書)
    債務名義とは慰謝料や養育費などの金銭の支払いの約束を公的に証明する文書を指します。具体的には「確定判決・仮執行宣言付判決・和解調書・調停調書・公正証書」などがあげられます。なお公正証書については、請求内容が金銭、代替物、有価証券で執行任諾条項の記述がある必要があります。

    <債務名義の種類>

    • 確定判決
    • 仮執行の宣言を付した判決
    • 抗告によらなければ不服を申し立てることが出来ない裁判
    • 仮執行の宣言を付した支払督促
    • 訴訟費用の負担等の額を定める裁判所書記官の処分
    • 金銭の支払等を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(執行受諾文言)が記載されているもの
    • 確定した執行判決のある外国裁判所の判決
    • 確定した執行決定のある仲裁判断
    • 確定判決と同一の効果を有するもの
  • 執行文の付与
    執行文とは、債務名義の執行力の存在、執行当事者適格、条件付請求権についての条件成就について、裁判所書記官・公証人が審査し、債務名義の正本の末尾に付記する公証文言のことを指します。実際に強制執行を行うためにこの執行文が必要になります。

    <執行分の種類>

    • 純執行文:債務名義の執行力を単純に公証するもの。
    • 条件成就執行文:停止条件の成就・不確定期限の到来を確認するもの。
    • 承継執行文:債務名義に表示された者でない者を債権者または債務者とする執行を許す。

送達証明書

強制執行を行う前に、債務者(支払いをしない相手)に債務名義を送達(強制執行を行う旨の通知)する必要があります。公正証書以外はそれぞれの文書を発行した裁判所、公正証書の場合は公証人役場にて送達を申請すると、「書類を送達した」事を証明する送達証明書を発行してもらえます。

<送達方法>

  • 判決、和解調書等:裁判所書記官
  • 執行調書:原本を保管している公証役場の公証人

強制執行ができるもの

金銭執行 内容 詳細
不動産執行 土地及びその定着物
  • 土地、建物(未登記も可)
  • 登記ある地上権・永小作権
  • 登記ある立木・工場財団等の不動産財団
  • 採石権・鉱業権・ダム使用権
順不動産執行 登記・登録できる民事執行法上の動産
  • 船舶
  • 航空機
  • 自動車
  • 建設機械
動産執行 不動産以外の有体物
  • 骨董品、貴金属、現金(66万円までは差押え禁止)、機械等
  • 裏書のできる有価証券(株券、社債権、手形、小切手等)
  • 登記できない土地の定着物(庭木、庭石、鉄塔等)
  • 1ヶ月以内に収穫が確実な天然果実(蜜柑・桃等)
債権執行 金銭債権・動産の引渡し請求権
  • 給与債権、預金債権、貸金債権、売掛金債権、賃料債権、敷金債権等
  • 裏書の禁止された有価証券(株券、社債権、手形、小切手等)
その他の財産権に対する執行   著作権、賃借権等