ふるげん司法書士事務所

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相続について

相続とは

「相続」とは、亡くなった方の財産をその親族等に承継させるという制度を指します。法的にいえば、相続とは、被相続人が死亡した場合に、その被相続人の権利義務を相続人に包括的に承継させる法制度といいます。

「相続」と聞くとプラスの財産(資産)だけを思い浮かべる人もいますが、マイナスの財産(負債)も含まれます。ですので、「ある人の死をきっかけとして、その人が有していた財産や負債等が特定の親族へと移転する」とも言えます。

相続制度の一般的な根拠

  • 私有財産制
    我が国では、現行法で私有財産制をとっています。私有財産制とは、「人が生きている間は、財産の私有を認める」という制度で、この考え方が相続制度に関わってきます。なぜなら、私有財産制の下では、個人の財産は、財産を有する人が亡くなっても、別の個人に承継されることが望ましいと解釈できる点。
  • 信用などの取引の安全確保
    ある人の死亡によって、債務者の債務もなくなってしまうと、それを信頼して取引をしていた人や債権者が大きな損失を受ける可能性があります。そこで、相続人らに被相続人の権利義務を承継させることによって、財産や債務がなくなってしまわないようにし、第三者に損失が生じるのを防止するという点。
  • 相続人の生活補償
    被相続人には、彼に依存して生活している遺族もいるはずです。このような場合、被相続人の死亡によって遺族が路頭に迷うよう可能性もあります。それらが起きないよう防止する点。
  • 相続人の潜在的持分の顕在化
    相続人のうち、被相続人の財産形成に貢献したという人を顕在化させ、潜在的持分を現実化させるという点。

相続の登記について

相続登記とは

不動産の所有者が死亡し相続が開始すると、その相続人に所有権が移転します。しかし、その不動産の名義を変えるためには、相続登記の手続きが必要になります。相続登記は、いつまでにしなければならないということはありませんが、被相続人名義のままではその不動産を売却したり、担保に入れることもできません。 

なお、相続登記をしないまま長期に放っておくと、相続人にさらに相続が発生するなどして、遺産分割協議に加わる人の数が増え、協議がまとまりにくくなることがあります。以上の理由から相続登記は早めに済ませるのが賢明です。

相続登記申請の方法

相続登記手続きの大まかな流れは、次のようになります。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、所有者等を確認する。
  • 戸籍、住民票、評価証明書等を集め、相続人を確定させる。
  • 相続登記申請書類を作成する。
  • 相続登記を申請する(郵送でも申請可能)。

登記所の場所

登記所とは、登記に関する事務を取り扱い、登記簿その他の帳簿や図面を管理している役所です。しかし、登記所という名称の役所は現実には存在しません。実際には、法務省の下部機構として、全国に8か所の法務局があり、その下に地方法務局、それらの支局もしくは出張所が配置されていて、ここで登記所としての事務を行っています。沖縄で登記が行われている箇所は以下のとおりです。

法務局名 管轄 所在地
那覇地方法務局 那覇市 沖縄県那覇市樋川1-15-15
豊見城市
糸満市
南城市
島尻郡八重瀬町
島尻郡南大東村
島尻郡北大東村
島尻郡渡嘉敷村
島尻郡渡名喜村
島尻郡粟国村
島尻郡座間味村
島尻郡久米島町
島尻郡与那原町
島尻郡南風原町
中頭郡西原町
沖縄支局 沖縄市 沖縄県沖縄市知花6-7-5
うるま市
宜野湾出張所 宜野湾市 沖縄県宜野湾市伊佐4-1-20
浦添市
中頭郡北谷町
中頭郡嘉手納町
中頭郡読谷村
中頭郡北中城村
中頭郡中城村
名護支局 名護市 沖縄県名護市字宮里452-3
国頭郡国頭村
国頭郡大宜味村
国頭郡東村
国頭郡今帰仁村
国頭郡本部町
国頭郡恩納村
国頭郡宜野座村
国頭郡金武町
国頭郡伊江村
島尻郡伊平屋村
島尻郡伊是名村
宮古島支局 宮古島市 沖縄県宮古島市平良字下里1016
宮古郡多良間村
石垣支局 石垣市 沖縄県石垣市字登野城55-4
八重山郡竹富町
八重山郡与那国町

相続登記の種類

相続に関する登記には、次の三つのケースがあります。

  • 法定相続分どおりの相続登記
  • 遺産分割協議による相続登記
  • 遺言書による相続登記または遺贈登記

詳しくは各ページの説明をご参照ください。

相続手続きについて

相続登記の種類

一般的な相続手続は以下のとおりです

  • 最初に、亡くなった方が残した遺産に、何があるのかを調べます。
    銀行預金や保険金等
    銀行預金や
    保険金など
    株などの有価証券
    株などの
    有価証券
    土地や家屋
    土地や家屋
    (不動産)
    自動車
    自動車
    会員権等
    会員権など

  • 相続手続きに必要な以下の資料を集めます。
    ①亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等
    ②法定相続人全員の戸籍謄本等
    これらの資料を集めた後は、その内容を調査し、法定相続人が誰々なのかを正確に特定(確認)する必要があります。なお手続き先の銀行なども、戸籍謄本等から判断した法定相続人全員の署名と押印を求めてきます
  • 集めた戸籍謄本等を元に、関係者全員の現住所・氏名・続柄や、法定持分はどれ位なのかが一目でわかる相続関係説明図を作成する。
  • 亡くなった方の遺産は、法定相続人全員で「誰が、何を、どれくらい相続するのか」を決めます。法定相続人全員の合意があれば、自由に遺産配分を行えます。つまり、合意さえあれば、法定持分などは無視して、誰か1人がすべての遺産を取得するということも可能ということで。なお最終的には遺産分割協議書や、銀行などの所定の用紙に、関係者全員の署名・実印・印鑑証明書をまとめることで完了いたします。
  • 話し合いで決まった内容で、遺産分割協議書を作成します。
  • 最後に、相続手続き先の所定の用紙や遺産分割協議書に、戸籍謄本等によって判断された法定相続人全員の署名と実印をもらい、各人の印鑑証明書と必要な戸籍謄本等を添付して、それぞれの相続手続き先の機関(預貯金なら銀行・保険金なら保険会社・株なら証券会社など・不動産なら法務局・自動車なら陸運局) に提出する。

なおこれら1~6の作業は、集める資料とも膨大であり、なおかつ相続する金額が多ければ多いほど遺族間でもめる場合があります。煩雑な作業や第三者の取りまとめを必要とする場合は、とう司法書士事務所にお問い合わせください。

遺産分割について

遺産分割とは

相続が開始して相続放棄も限定承認をしないで3ヶ月が過ぎると、単純承認したことになり、被相続人が死亡時に有していた一切の権利・義務を相続人が相続分に応じて共同相続することになります。この遺産の共有状態を解消して、個々の財産を各相続人に分配し取得させる手続きを、遺産分割といいます。なお共同相続とは相続人が数人いて共同して相続財産を相続することを指します。

遺産分割の時期については、相続開始後であればいつまでにしなければならないという期限はとくにありません。(ただし、被相続人が遺言で分割を禁止している場合はこの限りではない)

ですが、相続税の配偶者の税額軽減の適用は遺産の分割が前提であったり、時間の経過とともに起こる遺産が散逸の防止や、相続の権利のある関係者が増える(子どもや孫なども含む)ていくなど、遅くなれば遅くなるほど、デメリットが大きくなります。そのため、なるべく早い時期に分割協議を行うべきだと考えます。

なお、遺言で全ての遺産の分割方法が指定されていましたらそのまま従うことになります。ですが、もしそうでなければ、相続人全員の話合いが必要となります。

遺産分割の手続

  • 遺言による分割
    被相続人が遺言で分割の方法を定めているときは、その指定に従って分割します。なお遺言者は、遺言で分割の方法を第三者に委託することができます。
  • 協議による分割
    • 遺言が無い場合
    • 遺言はあっても相続分の指定のみをしている場合
    • 遺言から洩れている財産がある場合
      これら3つに該当する場合は、共同相続人の間で遺産分割の協議を行う必要があります。なお、相続人全員の合意があれば、必ずしも遺言による指定相続分や法定相続分に従う必要はありません。また、ある人の取得分をゼロとする分割協議もすることが可能です。
  • 調停・審判による分割
    協議で決まらない場合や協議できない場合は家庭裁判所に遺産分割を請求することができます。家庭裁判所への請求は調停、審判のいずれを申し立てても問題ありません。なお一般的にはまず調停を申し立て、調停が成立しない場合のみ審判手続きを行います。

遺産分割の態様

遺産には現金だけでなく、土地や建物など、簡単には分割できないものが有ります。それら遺産を具体的に分割する方法として4つの方法があります。

  • 現物分割
    例えば「土地は長男に、家屋は妻に、株式は次男に」などのように、遺産をあるがままの形で分割する方法。
  • 換価分割 
    遺産の一部、または全てを売却し、そのお金を相続人で分ける方法。
  • 代償分割
    遺産の全てを相続人の1人取得させ、他の相続人に不足分を代償金で支払うという方法。
    なお代償分割した場合の相続税は
    ・代償金を支払った相続人:(相続により取得した財産)-(代償金)
    ・代償金を受取った相続人:(相続により取得した財産)+(代償金)
    となり、遺産分割協議書にその旨を記載するようにします。
  • 共有分割
    分割を先送りにする方法です。一般的には特別な事情がない限りこの方法を取る方はいません。

遺産分割の手順

  • 相続人を確定する
    遺産分割協議は、相続人全員の参加が大原則ですので、相続人の1人でも欠いた遺産分割協議は無効となります。また、遺言による包括受遺者や相続分の譲受人がいるときは、それらの者も協議に参加しなければなりません。なお相続人を確定するには被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などをもれなく取寄せ、戸籍上の相続人かを明らかにしていく必要があります
    ◆◆注意事項◆◆

    • 胎児は相続については生れたものとみなされます。ただし母親以外の特別法定代理人が必要です。
    • 相続人のなかに行方不明者や生死不明者がいる場合は、家庭裁判所で許可の手続きを。
    • 相続人の中に未成年者がいるときは、未成年者の親権者が法定代理人として協議に参加する。なお親権者が共同相続人である場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要がある。
    • 意思能力が不十分な者がいる場合は一定の手続きを経て、この者に代わって協議に参加する者が必要になる。
  • 遺産の範囲を確定する
    「その遺産を誰にどれだけ渡すか」の協議を行います。もし相続人同士でまとまらない場合は家庭裁判所の審判や通常の民事訴訟で解決することになります。なお、遺産分割の対象となるのは、被相続人が有していた積極財産(プラスの財産)だけで、相続債務(マイナスの財産)は対象とはなりません。
  • 遺産の財産目録を作る
    遺産分割協議を行うにあたって、あらかじめ被相続人が残した遺産のすべてを洗い出し、財産目録を作っておけば、話合いがスムーズに進むはずです。遺産分割の際の財産の評価は、分割の協議をする時点の時価(実勢価格)でするのが原則です。なお不動産などは路線価、固定資産評価額、公示価格、基準地価など様々な要因で決定しますので専門家に依頼したほうが無難です。
  • 分割内容に相続人全員が合意する
    遺産分割協議は共同相続人全員の合意が必要です。ただし、必ずしも共同相続人が一同に会して合意しなければならないということでもありません。ひとつの遺産協議症に、相続人の署名捺印を作成すれば問題ありません。
  • 遺産分割協議書を作成する
    全員の合意により協議が成立したときは、それを証する「遺産分割協議書」を作成します。遺産分割協議書は後日、不動産の登記や銀行預金などの名義変更をする際に必要となります。

法定相続分や遺言と異なる遺産分割に関して

相続人同士の合意があれば、法定相続分に従わなくても遺産分割ができます。また、遺言がある場合に、相続人全員の同意があれば、遺言と異なる遺産分割をすることも可能です。ただし、遺言執行者がいる場合は、遺言執行者を加えたうえで成立させなければいけません。 

遺産分割のやり直しに関して

基本的に遺産分割協議は、相続人全員の合意により成立するため、いったん成立すれば効力が生じ、無効や取消の原因がない限り、やり直しすることはできません。また、代償分割をしていたのに代償が支払れていな場合でも、遺産分割協議を解除してやり直しを求めることはできないとされています。ただしこの場合には調停や訴訟で実現を求めることになります。なお、強制的な解除はできませんが、相続人全員の合意があれば新たに作りなおすことことは可能です。(新しい財産が出てきて再度分割しなければならい場合など)

遺産分割後に遺言を発見したら

遺言に書かれている内容が遺産分割協議書の内容と反する場合は、その箇所の遺産部活協議書の内容は無効になります。ですが、相続人全員がその遺言を無視して遺産分割するという合意があればその合意が優先されます。しかし、相続人のうち1人でも異議が出た場合は、あらためて遺言に沿った再分割をする必要があります。

遺産分割を禁止することもできる

  • 遺言による場合
    被相続人は、遺産の分割について、遺言で相続開始のときから5年を超えない期間内遺産の分割を禁止することができます。分割禁止は必ず遺言でしなければなりません。
  • 協議による場合
    事業の継承など、相続人にとって遺産分割が好ましくない場合は、相続人同士の合意があれば5年を超えない期間内は分割しないでも問題ありません。なおこの場合は更新することも可能です。
  • 調停による場合
    相続人の間で協議が調わないときは、家庭裁判所に分割禁止の調停を申立て、分割禁止の期間 5年を超えない期間を定めることができます。
  • 審判による場合
    特別な事情(相続人同士の相続争いなど)があるときは、審判で分割を禁止することができます。ですがその期間は5年を超えることはできません。

相続放棄について

相続放棄とは(相続の承認・放棄の選択)

相続人は、「相続の単純承認」「相続の限定承認」「相続放棄」のいずれかを選べます。ここで「相続放棄」をした人は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。プラスの財産があればいいのですが、マイナスの財産である債務(負債、借金)を引き継ぐ可能性がある場合は、相続放棄が選択するかたが多いです。なお、相続放棄をする場合は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きをしなければなりません。

何が相続されるのか

相続遺産には、プラスの遺産(現金、銀行預金、不動産など)などもありますが、マイナスの遺産である被相続人が負っていた債務(負債、借金)もあります。知らない間に負債を背負わされてしまうケースも多々あるため、自分は何を相続されたのかをしっかりと調べる必要があります。

相続の承認・放棄の選択

相続の手続きが始める前に、相続人としては、相続をするかどうかを自分で決めることが出来るとされているのです。相続人が選択できるのは、相続の単純承認、限定承認、そして相続放棄の3通りです。

  • 相続の単純承認
    相続の単純承認とは、相続について相続放棄または限定承認の手続きをとっていない以上、すべて自動的に相続したとみなす、という意味のことです。単純承認となった場合、相続人は被相続人の財産全てを受け継がなければならなくなります。もし借金の方が多かった場合、その借金を支払うという意味でも有ります。
  • 相続の限定承認
    相続の限定承認(限定相続)とは、相続財産が全部で、プラスとなるのかマイナスとなるのか判断できない場合に、相続財産の範囲内で借金を支払って、もし財産が残ったらそれをもらい、借金だけ残るようならすべて放棄する、というものです。
    手続きに関しては
    ・限定承認(限定相続)申述書
    ・収入印紙
    ・財産目録
    ・相続人全員の戸籍謄本
    ・被相続人の戸籍謄本
    ・被相続人の住民票除票
    ・予納切手
    が必要です。
  • 相続の放棄
    「相続放棄」とは、自分の気持ちや都合に関係なく、すべて自動的に引き継いでしまう「相続」というものを、いっさい関わりたくないので「放棄」する、というものです。
    手続きに関しては
    ・相続放棄申述書(家庭裁判所に備え付けてある)
    ・収入印紙
    ・被相続人の戸籍謄本
    ・被相続人の住民票除票
    ・申立人の戸籍謄本
    ・申立人の住民票
    ・予納切手
    が必要となります。

相続の承認・放棄を選択できる期間

相続の承認・放棄を選択できるのは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です。相続放棄、または限定承認をするときは上記期間内に、相続開始地(被相続人の最後の住所)を管轄する家庭裁判所で手続きをします。何もしないまま期間を経過すれば、相続を単純承認したことになってしまいます。